2021年3月20日土曜日

¡Salud! a nuestra experimento.

現在、メキシコで自由人をしております。
木原研居候の佐野です。

メキシコ人はビールを浴びるほど飲みます。
一番メジャーなビールは、テカテです。1本 約14ペソです。安くて旨いです。
貧乏なメキシコ人(若者たち)はテカテを買ってビーチで飲みます。
貧乏な私の家の冷蔵庫にはテカテがたくさん常備してあります。

次に、ドスエキソ、インディオ、ウルトラ…なんだっけ?。
これらが1本 約15~17ペソです。

そして、ボヘミア 約18ペソなのです。(一番旨いです)
今日は、大量のテカテに数本仲間入りです。(2本ほど既に飲みましたが)


と、いうことで、無事にアクセプトされた論文の喜びをビールで表してみました。
わかりにくい? まぁ、いいでしょう。
写真がピンボケしてる? まぁ、いいでしょう。

ブログは長々と書かなようにしていますが、今日はお許しを。
少々昔話を。

学部3年の頃に木原研に配属になりました。
選んだ理由は、シンプルでした。色々受けた授業の中で一番面白そうだったから。
これがやりたい!とかは、全くなかったわけです。
後輩たちには「なんで、木原研にしたの?何がしたいの?」なんてよく聞きますが、
当時の私は、まともに答えられなかったでしょう。「なんとなく面白そうだったから」です。

卒研テーマは何でもいいです、なんて言ってた気がします。

その後、外部の研究所で  ”魚卵の細菌”  を研究することなります。
初めはそうでなくても、自分の研究を一生懸命やると、だんだんと楽しくなってきます。
しかも、研究室で誰もやっていない、やったことがない分野です。
毎日、新しい知識が増えて、新しい実験を覚えて、めちゃめちゃ充実していました。

ただ、木原研に来る度に、胃培養とか、飼育実験とか、酵素活性の測定とか、
自分の知らない実験を同期たちが楽しそうにやっているわけです。

これが、羨ましかった。と、同時にこんなことも想いました。
「せっかく消化管のプロの元で学んでいるのに、細菌だけというのは勿体無い」

何かテーマを見つけてやらせてもらおう!
そして、本や論文を読み漁りました。誰もやっていない分野で、消化管がらみ、、、。
ある本を読んでいた時、幽門垂の記述が腸や胃より少ないことに気付いたのです。

論文を調べてみても、圧倒的に文献が少ない。
ただでさえ少ないこの分野の研究者で、幽門垂を専門に見ている人はいませんでした。

こうして、自分のテーマとは別に勝手に幽門垂を調べ出します。
これが、2017年(修士1年)の頃です。
既に東海大は卒業し、別の大学院に行っていましたので、居候はここから始まります。
大学院の先生には半分内緒でやっていました。あくまで、趣味なので(笑。
ちゃんと結果が出たら、そのうち話そう程度でしたね。
当然、修士の研究(メダカ卵の細菌について)もきちんとやっていました。

趣味である以上、予算がありません。
面白そうな結果(データ)があれば、木原先生が動くだろうと考え、
大学院の授業終わりに、東海大の後輩が駐在する豊浦まで車を飛ばして、
夜中に魚を釣って(釣らせて?)は、コツコツとサンプリングをしていました。
そして分かったことが、ラボ魚とワイルド魚で幽門垂のサイズが異なるというものでした。

この結果で、先生が動いたわけです。
田口トモロヲのナレーションが聞こえてきそう、、、
「佐野が言った。先生どうでしょう ?」
「Kが言った。おもしろい、やろう。」(笑)

それはさておき、これをきっかけに、組織を調べたり、運動性を調べたり、
これらを2~3年やって、集めたデータをまとめたものが今回の論文になります。

アクセプトされたときは、本当に嬉しかった。ただただ、嬉しかったですね。
当然、ボヘミア飲みました。


やりたいことはありますけど、どーせ・・・という話を色々な人から本当によく聞きます。

研究に限らず、もしやりたいことがあるなら、
やれない理由を言うのでなくて、どうしたらできるかを考えることが大事です。
考えつかないなら、他人に聞けばイイのです。(私はよく先生に聞きますが)
「人生考えたもん勝ち」です。

そんなことを考えながら、昔のことを思い出しながら、同居人に貰ったピザを食いながら、
旨い酒を飲んでおります。

私には夢がたくさんありますが、
「世界一の幽門垂マニア(研究者)になる」
これを達成すべく、これからも研究し続けようと思います。

では、これからの幽門垂研究の発展に期待を込めて、Salud!


 タコスも夕陽もなかったですが…(笑)